2024年9月13日
トンボが飛び交い稲が黄金に染まって、夏の終わりを感じます。
とはいえ暑い日がたまにひょこひょこ顔を出す日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
筆者はまだまだ毎日ビールを飲みたくて仕方がありません。(年中飲みたい)
お気に入りは「美深町」のクラフトビールです!
このお洒落なクラフトビール。
美深町のクラフトビールは「BSB(美深白樺ブリュワリー)」にて醸造されています。
魅力はなんといっても「白樺の樹液」が使われていることです。
BSBを経営する美深町仁宇布の松山農場さんが所有する、シラカバ林の白樺樹液が使われています!
こちらのシラカバ林では、毎年4月に「白樺樹液春まつり」が開催され、筆者も木育マイスターとしてシラカバ林のかんじき森林散策ツアーのガイドを毎年行っています。(詳細についてはこちら)
レストランBSBはレンガ造りの歴史が感じられる建物で、店内にはシラカバが至る所に使われており、とても雰囲気があって落ち着く場所となっています。
店内で飲めるだけでなく、ビール瓶での販売やビールの量り売りもされています!(最高すぎる)
美深町に行く際はぜひ行ってみてください。おすすめです!
今回は木材側のお話。(やっと)
個人的に大好きな木の「導管配列」についてお話させてください。
木材に見られるぽつぽつとした穴模様。
「導管配列」をよくよく見たことはありますか?
導管(どうかん)
植物(主に被子植物)が根から吸収した水や栄養分の輸送経路として機能する、
パイプのような管状の組織。
※ 木で導管をもつのは広葉樹のみ。
※ 針葉樹は「仮道管」という導管とは異なる組織を持っています。
木材では丸太の木口面(年輪が見える面)で、導管を確認することができます。
(種類によっては穴が見えにくいものがあります)
この「導管」という丸模様として確認される組織は、木の種類によって配列仕方が異なります。
大きく分けて2種類あります。
肉眼でも十分に見えるものもありますが、ルーペやマクロレンズを用いてもっと拡大して詳しく見ると、より導管配列を楽しめます。
マクロレンズは、スマホ装着型のものが100均で売っています✌
年輪に沿って大きめの導管が並んでいるもの。
肉眼でもはっきりと見えることが多い。
大きい導管は一列・複数列の場合もある。
導管のサイズ感も樹種により色々で、グラデーションのように見えるものもある。
同じくらいのサイズの導管が、環孔材のように偏らずにまんべんなく配置されているもの。
肉眼では見にくい場合が多い。
導管のサイズ感は比較的小さいが、樹種によりさまざま。
※ 細かくみると他にも「放射孔材」「鎖状孔材」「紋様孔材」といった配列もあります。
※ 「無孔材」と呼ばれる導管を持たない木も存在します。(ex. ヤマグルマ)
国産材では「散孔材」の割合が多いと言われています。
「環孔材」は個性が出やすく、とても見ごたえがあります。
今回は主な道産材の導管配列について違いを見てみましょう。
環孔材は導管配列の仕方や放射組織の見え方など、個性が光ります。
散孔材は導管が見えづらい分、わかりにくいですが
わずかな特徴を見せる場合があります。
いや~樹種によって個性がでますね。
個体によっても年輪の見え方で印象変わったりする場合がありますが、導管の配列の仕方はほぼ一緒。
今回は普通の写真ですが、特殊な顕微鏡で見た導管配列は、もっとわかりやすく観察できて組織の作られ方に感動を覚えますよ。
ご紹介したのは一部ですが、本当はもっともっと写真資料が欲しいです!
もし様々な樹種の導管配列の写真を持っている方がいらっしゃいましたら、提供いただけると筆者が飛び跳ねて喜びます。
実際の現場では、正直この導管配列まで詳しく見ている人は少ないと思います。
みなさんぱっと見の印象やこれまでの経験でなんとなくで樹種が分かってしまう方が多いと思いますし、材の良し悪しも素早く判断されていると思います。
でも、こうした明確な根拠づけがあると、樹種判断に自信がつきますし、こうした構造は木に関する様々な特性に繋がっているので、まったく馬鹿にはできません。
構造から理解することは、材を見極める上で非常に大きな力になると考えています。
また、なんていったってこの配列に、惹きこまれるような魅力があるのです。
ぜひ一度実際に見て、ミクロの世界で木を感じてみてください。