木育
(もくいく)
木育とは?
子どもをはじめとするすべての人が『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取り組みのこと。
木と五感でふれあい、感じることで、感性を磨くとともに豊かな心を育みます。
木を身近に感じることで、人と木、森、自然との関わりについて主体的に考えられる人材を育てていくことを目指します。
「木育」という言葉・概念は北海道で生まれました。2004年に北海道庁の「木育プロジェクト」で提言されたのが始まりです。
現在、木育は北海道に留まらず日本全国で知れわたり、活動が行われていますが、北海道は木育の発祥の地として、木育推進のため第一線で引っ張っていく存在になっていくべきと考えます。
木育マイスターとは?
木育マイスターとは、木と人を繋げるようなプログラムやイベントを考案し、そうした活動を通して人と森・自然との繋がりや関わりを楽しみながら人々が学んでいけるように導くプロデューサー・コーディネーターです。
北海道よりその資格を認定されています。
木育マイスターは、木育により単に木に詳しい人材を育成することが目的ではなく、木と触れ合う機会をきっかけに木を身近な存在として繋がりを感じ、参加者自身が主体的に木をライフスタイルに取り入れるよう、意識を変化させることを目指します。
2023年時点で300名以上の木育マイスターが認定されており、北海道各地で活動を行っています。
三津橋産業においても、在籍する木育マイスターを中心に木育活動を行っています。
詳しい木育活動について、は以下よりご参照ください。
↓ 木育マイスターの紹介動画があります ↓
木との関わり
子どものころ、自然の中で遊んだ経験はありますか?
それはどんな記憶として残っているでしょうか。
どんな風景で、どんな色で、どんな香りで、どんな感触で…
ずっと昔のことでも、意外と鮮明に色濃く、簡単に思い出せるのではないでしょうか。
こうした子どものころの体験、「原体験」は人間の根底にずっと残っていて、その後生きていく中で影響を与えていく重要なものであると考えています。
子どものころから木と触れ合いながら過ごすことで、五感を通して木を身近な存在として感じられるようになれると考えられています。
木登りで木を掴んだり抱き着いたり、落ち葉を踏んで楽しんだり、ヤニや樹液を味見してみたり、木陰で涼しさを体感したり。
大なり小なり木との関わった記憶は蓄積し、親しみに変わっていくでしょう。
成長した後もその親しみをもった感覚は変わらず、意図せずとも木や自然へ興味が向いていくと考えられます。
親しみや好意、敬意を持った対象に対しては「大切にしたい」とか「幸せであってほしい」など、プラスの思いが自然と溢れてくると思います。
親しみがあり、美しく尊い木や森林を、未来まで長く維持するにはどうしたらよいか?
人と自然が共生していくためにはどうしたらよいか?
木とのふれあい・交流の積み重ねで、人と木との関わりを考えられるような豊かな心が育まれると考えています。
木と人が近づき、歩み寄ること。
これが木育の核であると感じます。
どんなことが木育?
「食育」は楽しく料理を作り、おいしく食べ、食べ物について学ぶこと。
では「木育」は?具体的に何をすることなんだろう?と思われるかもしれません。
「あれも木育、これも木育」と言われるように、あらゆる観点で「木育」は解釈することができ、実行することができます。
森林で遊ぶこと、木材で何か作ること、木製品を使うこと・遊ぶこと、林業や木材について学ぶこと…
幅広いことが木育になりえます。
「わたしたちは木と共に生きているのだ」という自覚。
これが大きなポイントであり、木育によって育む目標となる感覚であると考えます。
木育イベントに参加しよう
木育のイベントは全国各地で開催されています。
北海道でも、北海道が主催するイベントや、全道各地の木育マイスターが個々で開催しているイベントなど、小さいものから大きなものまで様々です。春夏秋冬それぞれの良さを活かしたイベントがあり、大人も十分楽しめるものもあります。
北海道が主催となるイベントについては、北海道ホームページや、木育のインスタグラムなどで確認できます。
木育マイスターが開催するイベントは、各マイスターのインスタグラム等で確認するか、木育マイスターのリストから直接連絡して依頼することもできます。(北海道のホームページの木育マイスターリストより閲覧できます)
また、各地には”木の施設”が多く存在します。
こうした施設では、木のおもちゃの展示がされていたり、実際に遊んだり体験することができます。(入場料などかかる場合があります)例えば以下のような施設が道内にあります。
・当麻町 「くるみなの木遊館」
・西興部村「森の美術館 木夢」
・旭川市「木路歩来(コロポックル)」
このような木の施設は各地に点在しており、大きなものから小さなものまで様々ですが、それぞれの地域性を活かしこだわりをもって作られている場合が多く、非常に見ごたえがあり大人でも十分に楽しめます。
こうした施設でもワークショップやイベントを個々で開催していることがありますので、ホームページやチラシなどをチェックしてみてください。
日常から取り入れる木育
★ 木を意識して歩いてみよう
普段の何げない景色の中でも木はたくさん存在しています。何げなく存在しているもの、細かいものに注目して見てみましょう。
葉っぱの形は?においは?どんな樹皮をしていますか?花は咲きますか?何に似ていますか?
街路樹から始めてもいいですし、公園や神社では木に名札が付いていたりして名前も知ることができます。森林公園のような大きなところではたくさんの種類の木が観察できます。
また、普通のアスファルトの道でも、力強く突き破って生きている植物や木も存在して、注目すると面白いですよ。
一つ一つの表情の違い、個性にきっと気がつくはずです。
お気に入りのものを見つけてみてください。親しみを持つきっかけとなります。
★ 木を使ってみよう
木は家の骨組みからフローリング、家具まで色んなところに使われていますが…意識したことはありますか?
木製の食器、カトラリー、雑貨や小物など小さなところから使ってみましょう。
木ならではの温かみや、口触り・手触りの柔らかさが優しく感じられ、口に入れるような物の場合でも、大人だけではなく子どもも安心して使えます。
便利なプラスチックや陶器などと違って、電子レンジが使えなかったり手入れが必要など手間がかかる面もあるかもしれませんが、そうした手間が、大切にしようという愛しむ気持ちに変化していくでしょう。
★ 木で何か作ってみよう
小さなものから、何かひとつ作品を作ってみませんか?
森に落ちている小枝や松ぼっくり、どんぐり、葉などでも色々な物を作ることができます。
例えば、簡単なものだとまつぼっくりやどんぐりに目をつけて妖精を作ったり、落ち葉を乾かしラミネートしてしおりを作ったり、落ち葉や実、花などを組み合わせてスワッグ(花束)やリースを作ることもできます。
また、小さい丸太をのこぎりで輪切りにしてコースターを作ったり、絵を描けばオーナメントのような飾りができます。
ナイフがあれば、小枝を削ってナイフやスプーンなども作ることが可能です。
まずは簡単なものから試してみませんか?きっと夢中になるはずです。